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2012年04月08日

ヘルメットについて

今回はヘルメットについてです。



GIGNをはじめとしたフランス対テロ部隊の特徴的な装備として、バイザーの付いたヘルメットが挙げられます。
一方で、2012~2013年以降からは バイザーのないヘルメットの使用も確認されております。

それぞれ順番に見て参りましょう。



1.バイザー付きヘルメット

GIGNの装備品の中で最も人気・・・かもしれませんね。

GIGNでは、主にMSA製やRBR製等のヘルメットが使用されております。
MSA製はフランス軍にて、RBR社のヘルメットはアメリカやロシア等、それぞれ使用例が確認されております。
各国の装備をご存知の方々には お馴染みともいえる存在です。


●カタログスペック

MSA社のカタログ画像です。
最新ではありませんが、ご参考になれば幸いです。


●シェル本体

ヘルメット自体は、他の特殊部隊と同じPASGTヘルメット(いわゆるフリッツヘルメット)とよく似た形状のものです。
GIGNが使用するヘルメットは、PASGTヘルメットのように砲弾の破片や小口径の拳銃弾を防ぐだけでなく、小口径のライフル弾にもギリギリ耐えられるようになっているそうです。
野戦向きというよりは、市街地・屋内を想定した接近戦向けのヘルメットといえます。


●バイザー

バイザーは大まかに2種類ありまして、抗弾能力のある「バリスティックモデル」と、そうでない「ライオットモデル」があります。
前者は対テロ任務にて、後者は暴動鎮圧任務にて使用されております。

バリスティックモデルの抗弾バイザーは、ポリカーボネートと特殊なガラスによる、厚さ20mm~30mmの積層構造になっているそうです。
抗弾性能としては、9mmパラベラム弾をはじめ、.357マグナム弾や7.62x25mmトカレフ弾まで防ぐことができるモデルもあります。

『エールフランス8969便ハイジャック事件』では、隊員の一人が至近距離でマカロフ拳銃(9x18mm弾)の銃撃を受けましたが、バイザーの表面層が砕けたのみで、顔に近い内側の層は貫通されず、頭部を完全に守ったそうです。


これはサトリーにて公開された時のものでして、バイザー以外にも事件時の戦闘模様を伝える品々が展示されたようです。
現物は実際にサトリーへ行かないと分かりませんが…凄いことは確かなようです。

抗弾バイザーの重量はヘルメット本体と同程度で、単純に考えますとヘルメット2個分の重量になるわけですから、非常に重く疲れやすいようです。


一方でライオットモデルのバイザーは、主に特殊な強化プラスチック等が使われているとのことで、2mm~4、5mm程度の厚さになっています。
主に顔面への直接攻撃を防ぐためのもので、こちらの性能は各国の警察組織のものと同じと思われます。


●バイザーの形状

バイザーの外観上の違いを見て参りましょう。
写真は左がGIGN、右はRAIDです。

1つめ、映画『L' Assaut』でお馴染みのバイザーです。

バイザー下部が顎に沿って湾曲している、また縦の長さも抑えられている等、銃を構え易い形状となっています。

2つめ、バイザーが黄色いタイプです。

上記の2種類は80~90年代から最近まで、長い期間使用されておりました。
また同じ形状のライオットモデルは確認できておりません。

3つめ、現在主流であるタイプです。

前述のバイザーより下部が長くなり、全体的に四角い形状になっています。
またバリスティックモデル・ライオットモデルの両方が存在していまして、これらは厚さが異なることから判別できます。

4つめ、最新モデルです。

従来のバイザーよりも縦幅が狭くなり、バイザーも積層がよく分かる構造になっています。


バイザーついて、現時点で分かっていることを まとめてみました。

・1980~2000年まで:バイザーが透明なタイプ
・1980~2000年まで:バイザーが黄色いタイプ
・1990~2010年まで:バイザーが四角いタイプ(バリスティックモデル)
・1990~2010年以降:バイザーが四角いタイプ(ライオットモデル)
・2015~2016年以降:全く新しいタイプ

これに加えて、チンストラップ(あごヒモ)等の違いも数種類確認できますので、細かく分けると凄いことになりそうです。


●バイザー付きヘルメットのオプション

極最近になってから爆発的に増えつつあります。

1つめはネックガードです。

抗弾能力はないそうで、首への斬りつけや打撃を防止するのが目的とのことで、海軍コマンドでも使用されています。
何だか武士っぽいですね!


2つめはバイザーカバーです。

これはバイザーに傷や汚れが付かないようにするため、かと思われます。

布状のものだけでなく、革製のものも存在しているようです。


3つめはパッチ類です。

主に後頭部の真ん中に、隊員の役割や所属、血液型等を示しているであろうパッチが装着されております。


4つめはウレタン系のパッドのようなものです。

詳細は不明でありますが、頭部への衝撃を和らげるために接着しているものと思われます。



2.バイザー無しのヘルメット

2009~2013年頃から、GIGNでもMSA製のバイザー無しのヘルメットが使用され始めております。
その取り入れ時期を見る限り、アフガニスタン派遣と現地での使用歴に関係があるのではと考えております。

対テロ訓練時等は、バイザー付きヘルメットで統一されていることが大半ですが…


2015年の『フランス同時多発テロ事件』以降、実際に出動する際はバラバラということも多々あります。

●TC3000

2015年の『シャルリー・エブド襲撃事件』時の写真です。
バイザー付きヘルメットも同時期に使用されておりましたので、今のところ完全に置き換える予定ではないようです。

アフガニスタンではサイドレイルを追加したものも使用されておりました。


●MSA Gallet TC500、TC800

2014年頃にお披露目されたヘルメットです。



3.サバイバルゲームで使用するには

バイザー付きのヘルメット自体は、酷似した形状のものが国内で流通しています。
それらの場合、大部分が中国製、アメリカ製、イスラエル製等になります。

本場フランスでは、TAC.STORE等のサイトで販売されております。

残念ながら供給は安定していないようです。

実物新品・中古払下げ品の両方とも、国内では非常に高価なものとなっていますが、eBay等では比較的安価に出回っております。
しかし実物は重量が嵩みますので、送料で高価になってしまうことも しばしばです。

サバイバルゲームに値段の高いヘルメットはオススメできませんので、拘られない場合はレプリカが一番でしょう。
また重くて首が疲れる等、実物よりレプリカの方が良い面もあります。

「バイザーが分厚くないと、”らしくない”のでは?」と心配な方もいらっしゃるかもしれませんが…

国家警察や国家憲兵隊ではライオットモデルのバイザーで、警備や包囲といった任務に出動されますので、それ程 気にされなくても大丈夫です。

極少数ではあるものの…GIPNに至っては、バイザーを外したライオットヘルメットで対テロ訓練を行っている例もあります。

以下はレプリカ品の例です。


●SHENKEL M88タイプ ヘルメット

2014~2015年に確認されるようになりました、新しいレプリカです。
bttc.さん等で販売されており、今現在では 形状・価格共に最も代用しやすいヘルメットといえます。


●M88タイプ バイザー付きヘルメット

2010年頃から存在する、レプリカでは最初期と呼べる程のモデルです。
約2,000~5,000円で販売されております。


●MICH系 ヘルメット

お馴染みのMICH2000等のレプリカです。
TC3000等の代用にオススメなモデルです。


●フランスでのエアソフターな方々のヘルメット事情

フランスでも放出品は少なく、かつ高価になりがちですので、熱狂的な方々が自作されることも しばしばです。

完成モデルも十人十色で、オリジナルながら再現度の高いモデルも数多く見られます。

一部はFacebookを通して販売されている程です。

技術や道具・設備をお持ちの方は、是非 自作されてみてはいかがでしょうか。

上記のレプリカ品が使用されていない、というわけでもありません。

海外でもお手軽さを重視される場合は、重宝されているようです。



●使用時の問題

バイザー付きヘルメットに共通する難点として、銃が構えにくいことが挙げられます。
といってもMP5にハイマウントベースを付ければ、サイティング可能なのですが…やはり少し慣れが必要です。

またゴーグル以上に熱気がこもりやすいので、FOG-TECHなどの曇り止めが必須です

視界自体はとても広く、(個人的な感想ではありますが)近距離で正面から撃たれてもあまり恐くありません。
PASGTヘルメットに酷似した形状から、「バイザー横からBB弾が入ってくる」ということも稀です。
ゴーグルと違い、バイザーの上げ下げだけで簡単に準備できますので、これも地味に良い点といえるでしょう。

とはいえ、フィールドによってはレギュレーションをオーバーする場合がありますので、使用される場合は事前に可否を確認して頂ければと思います。





以上、『ヘルメットについて』でした。  

Posted by Lure at 15:48Comments(6)ヘルメット