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2012年04月08日

ヘルメットについて

今回はヘルメットについてです。



GIGNをはじめとしたフランス対テロ部隊の特徴的な装備として、バイザーの付いたヘルメットが挙げられます。
一方で、2012~2013年以降からは バイザーのないヘルメットの使用も確認されております。

それぞれ順番に見て参りましょう。





1.バイザー付きヘルメット(1980年代前後~1990年代半ば)
GIGNで使用されたバイザー付きヘルメットの内、最も古いモデルです。

写真の右下、「J」の「Casque pare-balle(防弾ヘルメット)」ですね。

『Superubott』等と呼ばれるヘルメットと同一と思われますが、『Casco Ubott』等と呼ばれるほぼ同型のヘルメットもあります。

それぞれバイザーの仕様やタグ等が異なるようですが、共通する点としてイタリアの国家憲兵隊であるカラビニエリや国家警察での使用例が挙げられます。

こちらは私の所持しているCasco Ubottヘルメットです。

バイザーにネジがあるモデルは、2つに分割することが可能と思われます。
しかしながら、GIGNが使用していたモデルがどれに相当するのかは、残念ながら不明です。

映画やゲームのいずれにも登場しておりませんので、影の薄いこと極まりないヘルメットですが…


1988年の『ウベア島事件』と、1994年の『エールフランス8969便ハイジャック事件』の双方で着用されておりました。





2.バイザー付きヘルメット(1990年代~2000年代)
1990年代から2000年代の初期頃まで使用されていたモデルです。

1990年代のGIGN装備、並びに映画『L' Assaut』のGIGN装備は…GIGN装備という一つの括りの中でも『王道』といえる装備かと思います。

『エールフランス8969便ハイジャック事件』では上記のヘルメットと共に使用されたようで、隊員さんが至近距離でマカロフ拳銃(9x18mm弾)の銃撃を受けましたが、バイザーの表面層が砕けたのみで顔に近い内側の層は貫通されず、頭部を完全に守ったそうです。


これはサトリーにて公開された時のものでして、バイザー以外にも事件時の戦闘模様を伝える品々が展示されたようです。
現物は実際にサトリーへ行かないと分かりませんが…凄いことは確かなようです。

抗弾バイザーの重量はヘルメット本体と同程度とのことで、単純に考えますとヘルメット2個分の重量になるわけですから、非常に重く疲れやすいことでしょう。

GIGNで使用されていたものは、おそらくRBR社製の『F5』と呼ばれるモデルかと思われます。


2008年の冊子では、現行のパッチとの組み合わせも見られる他、2010年の映画『L' Assaut』でも大量に登場致しましたが…
その後は急速に数が減ってしまい、現在は ほとんど見られません。

未だにレプリカが存在せず、実物も入手困難な希少品のため、GIGNで使用されているヘルメットの中でも特にレアなモデルといえます。
タクティカルベストはレプリカが存在しておりますが、現在は それも入手困難です。

総じて、2000年代以降のGIGN装備に比べると圧倒的に再現が難しい…といえる状態です。

一方で、フランスをはじめとするエアソフター・リエナクターの方々は、酷似したヘルメットを利用されているようです。

1点目、MSA社のバイザー付きヘルメットです。

Tac Store等のサイトで販売されておりましたが、最近は ほとんど見られません。

2000年代以降、主に国家憲兵隊や国家警察の部隊にて使用されておりました。

RBR社のヘルメットとは、シェルの耳を保護する部分とバイザー基部が異なっておりますので、簡単に見分けて頂くことができます。

RBR社のヘルメットは、バイザーを留めるボルトが△型となっております。

2点目、ドイツ連邦軍のバイザー付きヘルメットです。

バイザーを留めるボルトが☆型となっております。
ドイツでは「工兵用」「特殊部隊用」として紹介されておりました。
2012年頃には放出品が存在しておりましたが、2014年頃には見られなくなってしまいました。

3点目、イスラエル軍のバイザー付きヘルメットです。

バイザーを留めるボルトには「ツマミ」がありません。
私自身はイスラエル軍について全く存じないのですが…シェルはRBR社ともPASGT系ともいえない、独特な形状をしておりますね。

日本国内には、先述の『Superubott』と『RBR F5』の双方をお持ちの方が1名いらっしゃるのですが…
その方曰く、これら2つのヘルメットのバイザーには互換性があるそうです。
ただし、Superubott/Casco Ubottはヘルメットのサイズが表記されておりますので、シェルの大きさが異なるようであれば、互換性が失われてしまう可能性もあります。

例えば私の場合…Casco Ubottヘルメットはサイズが「59cm以下」のため、ヘルメットのサイズが「60cm以上」の個体には、バイザーを取り付けられない恐れがあります。

互換性について解決できれば、バイザーを移植することで「1990年代のGIGNのヘルメットを再現する」ことができるかもしれません。





3.バイザー付きヘルメット(2000年代後半~現在)
2000年代から最近まで使用されているモデルです。

ゲーム等のお陰でステレオタイプになっている、お馴染みのヘルメットですね。

GIGNではMSA(MSA-Gallet)社製の『KFS V2』や、バイザーの縦幅が短い『FS V2』が使用されております。

最新ではありませんが、MSA社のカタログが参考にして頂きやすいかと思います。

MSA社のヘルメットはGIGNだけでなく、フランス国家憲兵隊や国家警察の特殊部隊で幅広く見られます。

ヘルメットのシェルは、他の特殊部隊と同じPASGTヘルメット(いわゆるフリッツヘルメット)とよく似た形状のものです。

GIGNが使用するヘルメットは、PASGTヘルメットのように砲弾の破片や小口径の拳銃弾を防ぐだけでなく、小口径のライフル弾にもギリギリ耐えられるようになっているそうです。
野戦向きというよりは、市街地・屋内を想定した接近戦向けのヘルメットといえます。

バイザーは大まかに2種類ありまして、抗弾能力のある「バリスティックモデル」と、そうでない「ライオットモデル」があります。

前者は対テロ任務にて、後者は暴動鎮圧任務にて使用されております。

MSA社の抗弾・防弾バイザーは、ポリカーボネートと特殊なガラスによる、厚さ20mm~30mmの積層構造になっているそうです。

抗弾性能としては、9mmパラベラム弾をはじめ.357マグナム弾や7.62x25mmトカレフ弾まで防ぐことができるモデルもあるようで…
先述のRBR社製ヘルメットと同等か、それ以上の性能と思われます。

一方で暴徒鎮圧用バイザーは、主に特殊な強化プラスチック等が使われているとのことで、2mm~4、5mm程度の厚さになっております。
主に顔面への直接攻撃を防ぐためのもので、こちらの性能は各国の警察組織のものと同じと思われます。

2015年前後からは、さらにバリエーションが増えております。

バイザーの縦幅がより狭くなり、積層構造がよく分かる外観となっております。





4.バイザー付きヘルメットのオプション
極最近になってから爆発的に増えつつあります。

●ネックガード

抗弾能力はないそうで、首への斬りつけや打撃を防止するのが目的とのことで、海軍コマンドでも使用されています。
何だか武士っぽいですね!

●バイザーカバー

これはバイザーに傷や汚れが付かないようにするため、かと思われます。

布状のものだけでなく、革製のものも存在しているようです。

●ヘルメットカバー

装着例は非常に少ないですが、シンプルなヘルメットカバーも使用されております。

●パッチ類

主に後頭部の真ん中に、隊員の役割や所属、血液型等を示しているであろうパッチが装着されております。

●パッド類

詳細は不明でありますが、頭部への衝撃を和らげるために接着しているものと思われます。





5.バイザー付きヘルメット(2017年以降)
2017年に登場した、新しいバイザー付きヘルメットです。

同年5月以降の写真では、一定数が着用されておりました。

この特徴的なヘルメットは、ドイツのMehler社の『H2S』と呼ばれるモデルです。


ミリタリーブログのミリブロNewsでも取り上げられましたので、多くの方がご存知かと思います。





6.バイザー無しのヘルメット
2009~2013年頃から、GIGNでもMSA社のバイザー無しのヘルメットが使用され始めております。

その取り入れ時期を見る限り、アフガニスタン派遣と現地での使用歴に関係があるのではと考えております。

対テロ訓練時等は、バイザー付きヘルメットで統一されていることが大半ですが…


2015年の『フランス同時多発テロ事件』以降、実際に出動する際はバラバラということも多々あります。

●MSA TC3000

2015年の『シャルリー・エブド襲撃事件』時の写真です。
バイザー付きヘルメットも同時期に使用されておりましたので、今のところ完全に置き換える予定ではないようです。

アフガニスタンではサイドレイルを追加したものも使用されておりました。

●MSA Gallet TC500、TC800

2014年頃にお披露目されたヘルメットです。





7.サバイバルゲームで使用するには
バイザー付きのヘルメット自体は、酷似した形状のものが国内で流通しています。

それらの場合、大部分が中国製、アメリカ製、イスラエル製等になります。

先述の通り、本場フランスではTac Store等のサイトで販売されておりました。

残念ながら供給は安定していないようです。

実物新品・中古払下げ品の両方とも、国内では非常に高価なものとなっていますが、eBay等では比較的安価に出回っております。
しかし実物は重量が嵩みますので、送料で高価になってしまうことも しばしばです。

サバイバルゲームに値段の高いヘルメットはオススメできませんので、拘られない場合はレプリカが一番でしょう。
また重くて首が疲れる等、実物よりレプリカの方が良い面もあります。

「バイザーが分厚くないと、”らしくない”のでは?」と心配な方もいらっしゃるかもしれませんが…

国家警察や国家憲兵隊ではライオットモデルのバイザーで、警備や包囲といった任務に出動されますので、それ程 気にされなくても大丈夫です。

極少数ではあるものの…GIPNに至っては、バイザーを外したライオットヘルメットで対テロ訓練を行っている例もあります。

以下はレプリカ品の例です。


●KFS V2 レプリカ
国内ショップのbttc.さんからバイザー付きヘルメットのレプリカが販売されております。
実物に限りなく近く、なおかつサバイバルゲームでの使用を想定されている、日本国内初の本格的なレプリカかと思います。


●Airsoft-Balistique製のレプリカ

フランスのAirsoft-Balistiqueという個人ショップさんで販売されている、MSA社製ヘルメットのレプリカです。
Facebookを中心としたSNS上で やりとりをされているため、注文や在庫の有無、納期等、個人的に問い合わせて頂かなくてはなりません。


●Shenkel M88タイプ ヘルメット

2014~2015年に確認されるようになりました、新しいレプリカです。
bttc.さん等で販売されており、今現在では 形状・価格共に最も代用しやすいヘルメットといえます。


●M88タイプ バイザー付きヘルメット

2010年頃から存在する、レプリカでは最初期と呼べる程のモデルです。
約2,000~5,000円で販売されております。


●MICH系 ヘルメット

お馴染みのMICH2000等のレプリカです。
TC3000等の代用にオススメなモデルです。


●フランスでのエアソフターな方々のヘルメット事情

フランスでも放出品は少なく、かつ高価になりがちですので、熱狂的な方々が自作されることも しばしばです。

上記のAirsoft-Balistique製レプリカも、代表的な例といえるでしょう。

技術や道具・設備をお持ちの方は、是非 自作されてみてはいかがでしょうか。

もちろん、上記のレプリカ品が使用されていない、というわけではありません。

海外でもお手軽さを重視される場合は、重宝されているようです。





7.使用時の問題
バイザー付きヘルメットに共通する難点として、サバイバルゲームにおいて銃が構えにくいことが挙げられます。

2010年代以降の装備例であれば、B&T社製の『バイザーストック』や そのレプリカを使用頂くことで、改善することができます。

それ以前の装備例の場合は、実際のGIGN等と同じようにハイマウントベースを使用して頂く必要があります。
こちらは銃や光学照準器を調整し、それに慣れて頂かなくてはなりませんが…
上下幅の狭い銃眼ではサイティングができない、といった問題は残ってしまいます。

またゴーグル以上に熱気がこもりやすいので、Fog-Tech等の曇り止めが必須です。

一方で、視界自体はとても広く、(個人的な感想ではありますが)近距離で正面から撃たれても あまり恐くありません。
PASGTヘルメットに酷似した形状から、「バイザー横からBB弾が入ってくる」ということも稀です。
ゴーグルと違い、バイザーの上げ下げだけで簡単に準備できますので、これも地味に良い点といえるでしょう。

とはいえ、フィールドによってはレギュレーションをオーバーしてしまう場合があります。
使用される場合は、フィールドのスタッフの方に可否を確認して頂ければと思います。





以上、『ヘルメットについて』でした。  

Posted by Lure at 15:48Comments(6)ヘルメット