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2014年03月09日

~GIGNの暴徒鎮圧~

今回はGIGNと暴徒鎮圧任務についてご紹介致します。



GIGNは主に対テロ作戦を行う部隊ですが、創設された最初期は機動憲兵隊に含まれていたこともあり、国家憲兵隊らしい警察的な任務も しばしば行っておりました。
これは『地域介入コマンド部隊(Équipe Commando Régionale d’intervention;ECRI)』と呼ばれており、現在のGIGNの源といえるものでありました。

GIGNも暴徒鎮圧任務にあたるとされていた頃は、「国家憲兵隊 機動憲兵隊の隊員として少数が参加」することとなっておりました。
しかし国家憲兵隊・国家警察の双方で行われた”大掛かりな部隊の廃統合”を経た今では、GIGNは特殊部隊以外の何者でもありません。
このため、よっぽどでない限り 今後GIGNが暴徒鎮圧任務に参加することは無いと思われます。



機動憲兵隊は基本的に国家警察の機動隊とほぼ同じ装備で暴徒鎮圧に従事しますが、実際には国家憲兵隊と国家警察では装備が異なることも多いです。
特に大規模なデモや暴動の場合、絶対的に憲兵や警察官の人数は足りなくなってしまうことも しばしばです。

このため合同して鎮圧にあたることもあります。



それでは、2010年頃にフランス南東部のリヨンで起こった暴動と、その鎮圧の様子を見て参りましょう。

暴動の簡単な概要は・・・
数千人の暴徒が店を襲ったり車を焼く等の略奪を行い、これを受けて出動した機動隊は閃光弾と催涙ガスで鎮圧、リヨンは戦場となった。 数百人が逮捕され、数十人が負傷したとされる。
・・・とのことです。

何故起こったのかは詳細は分かりかねますが、どうやら「政府の退職に関する改革法案」に対する抗議だったようで、学生や労働組合の人々が主だったようです。

暴動は比較的大規模なものだったため、機動憲兵隊や国家警察のCRS(共和国保安機動隊)等、多くの部隊が出動しています。

GIGNからも少数の隊員がべラーシュ駅付近へ展開したとされます。

以下、鎮圧の開始から順番にご紹介致します。

まずはこちらです。

炎上する車がバリケードにされていたため、まずは消防隊が(火災等の危険もあるため)消化活動を行いました。
消防士の方は暴徒側から非難や罵声を浴びたようですが、攻撃はされなかったとのことです。

こちらは機動憲兵隊です。

暴徒側からの投石を受けながら、通りを遮断しています。

その内に暴徒側による攻撃が火を伴うものとなり、それと同じ頃から鎮圧側から催涙弾も使用され始めました。

火炎瓶等はあまり使用されず、どちらかというと「ゴミやゴミ箱本体に火をつけて鎮圧側の前へ転がす」等が主体で、それ程過激ではなかったようです。

こちらはカメラマンです。

取材中なのか、暴徒側でも鎮圧側でもないようです。

一連の舞台となったのは、町の中心部・ベルクール広場付近とのことでした。
CRSと機動憲兵隊を中心に、バリケードや立てこもりを排除しつつ“前線を押し上げる”ように進むという感じだったのでしょうか。

暴徒側からの攻撃は、投石の他にも「射出系の武器」が使用されていたとのことですが、詳細は不明です・・・

逮捕を行う機動憲兵隊です。

ニュースサイトでは「Police」と表記されていることも多い写真です。

パッチやヘルメットのエンブレム等、どう見ても憲兵隊です。本当にありがとう御座いました。

国家警察からは、今は無きGIPNも出動していたようです。

GIPNは いわゆる「CT装備」の写真が多いため、暴徒鎮圧スタイルは中々珍しいかと思います。

暴徒鎮圧でも活躍していたようですね。

規模としては大規模だったようですが、幸い死者は一人も出ませんでした。

肝心のGIGNについては、残念ながら彼らであると明確に特定できる写真はありませんでした。

べラーシュ駅(またはその方面)に展開したようですが、展開し始めた時点で暴動は下火になっておりました。
GIGNが鎮圧を行うために向かったのか、もしくは占領を防ぐために向かったのか、詳細は判明しておりません。



他方、2012年以前からGIGNとして紹介されている写真の中に、以下のものが挙げられます。

パッチがGIGNのものか非常に怪しいです。

まとめとしましては、過去に限った話ではありますが、暴徒鎮圧に介入していた可能性は非常に高いです。



そんなこんなで、GIGNと暴徒鎮圧の一例でした。

基本的に火器ではなく警棒や催涙弾が使用されますので、サバイバルゲームでの装備再現は難しいと思います。
しかしイベント等であれば、それなりに雰囲気作りができるのではないでしょうか。

GIGN装備に限ったことではありませんが、遊びとして暴徒鎮圧風装備を揃えるというのも面白いでしょう!

ではでは!



「暴徒は鎮圧だぁーーー!」  

Posted by Lure at 15:40Comments(2)GIGN の訓練

2014年03月02日

関連部隊~GIGNの関連部隊と類似部隊一覧~

今回はGIGNの関連部隊と類似部隊について、ご紹介させて頂きます。



GIGNといえば「バイザー付きヘルメットのCT装備」のスタイルをイメージされる方が大半かと思います。

このスタイルは、下の写真のようにフランス軍・国家憲兵隊・国家警察の特殊部隊の全てで似通っております。

左から、フランス海軍コマンド(CTLO, Jaubert)、CPA 10、CPA 10、RAID、GIPN、GIGNです。
見分け方は服装、パッチ、ベスト、武器等ですが、場合によっては見分けることが難しい場合も多々あります。

GIGNにおいては、海外の報道では「Gendarmerie~」等と記載されたり、しばしば類似部隊のことを「GIGN」と表記する等、中々判断が難しい状態でありました。

幸いにもメジャーとなった今現在では、そういったことが ほとんど無い状態となっております。

他方、よりマイナーな部隊は あまり知られていないかと思いますので、少しご紹介させて頂きたく思います。

それでは順番に見て参りましょう!



【フランス国家憲兵隊の部隊】

フランス国家憲兵隊は、陸軍・海軍・空軍に並ぶ軍事組織です。
主に軍の憲兵としての任務、重要拠点の警備、そして警察業務を主な任務としています。
フランス国内での対テロ任務や警察系任務ではフランス国家警察と、フランス国外での軍事作戦ではフランス軍と、しばしば共同で作戦に従事しております。


●Gendarmerie Mobile
(Gendarmerie Mobile):機動憲兵隊



こちらは独立した部隊を指さない、国家憲兵隊の部門名といえる名称です。
日本の機動隊に近い位置にある組織です。
後述しておりますPIおよびPI2Gの人員は、機動憲兵隊から選出されており、よって彼らも暴徒鎮圧に従事することがあります。
GIGNが暴徒鎮圧に従事する場合も、(本当に稀なことではありますが)機動憲兵隊へ参加する形になります。

機動憲兵隊の任務としては、暴徒鎮圧、陸上・海上の治安維持、テロ対策、重要な建物・設備の警備等が挙げられます。
有事の際は純粋な軍事作戦にも従事します。
また、海外派遣におけるフランス軍の駐屯地の警備も行っているようです。

警察的な任務は地方都市(人口約1万人以下の町)が中心で、首都等の大都市部はフランス国家警察が担当しております。
しかしデモや暴徒の鎮圧時に人員が不足する場合は、国家憲兵隊・国家警察が合同で任務にあたることも多いです。


●PSIG
(Pelotons de surveillance et d'intervention de la Gendarmerie ):警邏介入小隊



県憲兵隊(地方に勤務する憲兵隊)の警備部隊です。
警邏という翻訳の通り、基本的にはパトロール等の警察業務に従事しております。
またPIやP2IG程ではありませんが、立て籠もり等に対する装備も有しております。
それぞれの県憲兵隊のパッチを装着していることが多く、写真等でも どの県所属なのか等が分かりやすい部隊です。


●PI
(Peloton d'intervention):介入小隊



県憲兵隊のPSIGでは対処できない、対凶悪犯罪・組織犯罪事件時や人質救出作戦時に出動する部隊です。
また前述の通り、暴徒鎮圧時には機動憲兵隊として出動することも多い部隊です。


●AGIGN(旧称:PI2G)
(Antenne du GIGN、旧称:Peloton d'intervention de deuxième génération):第二段階介入小隊



PIでは対処できない事件時に出動する部隊です。
PI2Gとして2004年にトゥールーズで最初の部隊が創設され、その後2007年にオランジェにて、また2012年にディジョンにて、それぞれ部隊が創設されておりました。
その後2016年からは「Antenne du GIGN」という名称になり、従来の任務はもちろんのこと、GIGN等の出動時に「アンテナ」が張れるように効率化が図られております。

同時にパッチも更新されましたが、現在はPI2Gのパッチも散見される状態です。


●GBGM
Groupement blindé de gendarmerie mobile:装甲機動憲兵隊



名前の通り、装甲車両等を運用する部隊です。
突入任務等での掩護はもちろん、危険区域の封鎖等も行います。
GBGMの隊員も武装しており、上記の部隊の隊員と共に降車して作戦に随行することが多いです。
この名前が遠い未来まで引き継がれれば、変形して人型になったり、宇宙空間で活躍したりするかもしれません(笑)


●PSPG
(Peloton spécialisé de protection de la Gendarmerie):特殊防護小隊



フランス国内の原子力発電所等の警備を担当する、対テロ特殊部隊です。
2009年に創設された比較的新しい部隊で、それまではGIGNが彼らの役割を担っておりました。
故に、現在も交流のある部隊となっております。


●EPIGN
(Escadron Parachutiste d'Intervention de la Gendarmerie Nationale):国家憲兵隊空挺介入中隊



暴動や大規模犯罪、テロに対するための空挺部隊です。
GIGNと共にGSIGNを構成していた部隊です。

『エールフランス航空機ハイジャック事件』では、GIGNに対する支援活動を実施しました。
2007年にGIGNへと統合されております。


●GSIGN
(Groupement de Sécurité et d'Intervention de la Gendarmerie Nationale):国家憲兵特殊安全対策群



GIGNやEPIGNを配下に収めていた国家憲兵隊の部門名(総称)で、2007年にGIGNを筆頭とする構成部隊の廃統合が行われ、同時に廃止されました。


●GSPR
(Groupe de Sécurité de la Présidence de la République):国家憲兵隊大統領保安郡



名前の通り、フランスの大統領等の要人を警護する部隊です。
現在はGIGNの中に「GSPRへの分遣隊」が作られており、これにより「GIGN所属のGSPR構成員」として明確になっております。



【フランス国家警察の部隊】

フランス国家警察は、名前の通り警察業務を担う組織です。
一般的な警察組織と同じく、犯罪の捜査や治安維持、暴動鎮圧、交通の取締り等を行います。
国家憲兵隊と合同訓練を行っている写真等では、大体の見た目が非常に似ておりますので、同一視されてしまうことも少なくありません。


●FIPN
(Force d'Intervention de la Police Nationale ):国家警察介入部隊



RAID(旧GIPNを含む)、BRI-BACといった、国家警察特殊部隊に所属する警察官から成る部隊です。
アメリカ的に申しますと、いわゆる「タスクフォース」の1つでして、2011年に正式に創設されました。
簡単には「FIPNとして各警察部隊の指揮系統を一括で行い、事件の解決やそれに対する支援等を円滑にするため、部隊の枠を外して連携する」という性質を持っております。
特徴的なものとしては、FIPNのパッチが挙げられます。
各警察官が それぞれの所属部隊のパッチに加えて、FIPNのパッチを装着する場合が多いです。


●RAID
(Recherche, Assistance, Intervention, Dissuasion):国家警察特別介入部隊



数ある警察系特殊部隊の中でも、おそらく最も名前が格好良い部隊です。
GIPNの地域特化型ともいえる存在でありましたが、2015年にはフランス国内のGIPN部隊がRAIDへと統合されました。

2012年にフランスで起きた『ミディ=ピレネー連続銃撃事件』の解決に従事しました。
2015年にも『シャルリー・エブド襲撃事件』及び『パリ同時多発テロ事件』等で大々的に出動しており、メジャーな部隊として仲間入りしつつあります。


●BRI-BAC
(Brigade de recherche et d'intervention - Brigade anticommando):フランス国家警察捜査介入部隊コマンド対策部隊



新参に見えて実は古参の特殊部隊です。
BRIを基盤に各部署の人員を集め、対テロ任務や人質救出作戦に従事する部隊として、1970年代に創設されました。
2015年の『パリ同時多発テロ事件』では、占拠されたバタクラン劇場への突入を行い、その後も容疑者の捜索時に銃撃戦を行う等、世界中のメディアで報道されました。


●GIPN
(Groupement d'Intervention de la Police Nationale):国家警察介入部隊



2015年にRAIDへ統合された部隊です。
GIPNはフランスでの大規模な暴動の鎮圧や凶悪事件の解決、テロへの対処を主な任務としていました。
フランス国家警察には同じ性質を持つRAIDが存在しておりますが、「RAIDはパリ等の主要な都市で発生した事件を担当し、GIPNはそれ以外の地域で発生した事件を担当する」というように、地域別で区分されておりました。



【フランス陸海空軍の部隊】

フランス陸軍、海軍、空軍の特殊部隊です。
他国と同じく様々な特殊部隊がありますが、その内GIGNと連携したことのある、もしくは非常に似通っている部隊をご紹介致します。

●1er RPIMa
(1er Régiment de Parachutistes d'Infanterie de Marine):第1海兵歩兵落下傘連隊



フランス陸軍海兵隊の歴史ある特殊作戦連隊で、第二次世界大戦中に創設された部隊まで遡ります。
イギリスのSASの直系部隊でもあるため、別名として「French SAS」等とも呼ばれるようです。

対テロ作戦は主にGIGNが行いますが、軍事作戦としての人質の救出や大規模な作戦の場合等は、こちらの1er PRIMaが行うとのことです。
当然ながら、保有する装備や火器はGIGNのものより数が豊富となっております。


●2e REP
(2e Régiment étranger de Parachutistes):第2外人落下傘連隊



フランス陸軍の第11落下傘旅団に所属する空挺連隊で、第一次インドシナ戦争中に編成されたことが始まりとされています。
彼らの詳細につきましては、日本で外人部隊の経験をお持ちの方が遥かにお詳しいかと思いますので、申し訳ありませんが割愛させて頂きます。
1976年に起きた『ジブチ共和国バスハイジャック事件』にて、GIGNと共に人質の解放作戦に従事しました。
近年では1er RPIMa程 緊密ではないようですが、GIGNと相互に支援し合う部隊の1つなのは確かでしょう。


●Commandos Marine
(Commandos Marine):海軍コマンド



フランス海軍の「フュージリア海兵作戦コマンド(Force maritime des fusiliers marins et commandos:FORFUSCO)」に所属する特殊部隊です。
先述の1er RPIMaと同じく、その歴史は第二次世界大戦中に創設された部隊まで遡ります。

著名なアメリカ海軍の「Navy SEALs」と同じように6つの部隊で編成されておりますが、こちらは明確に役割ごとで分けられております。
GIGNとは稀に海上や船舶での合同訓練を行っているようです。
しかしながら、主に「Commandos Marine」の名称で広報されますため、どの部隊とGIGNが協力関係にあるのかまでは 現状では把握できておりません。


●ECTLO
(Escouade de contre-terrorisme et de libération d’otages):対テロ救出分隊



GCMC(Groupe de Combat en Milieu Clos)とも呼ばれる、フランス海軍の特殊部隊です。
その名の通り、主に艦艇等を対象とした対テロ・人質救出作戦に従事します。
海軍コマンドの1部隊であるユベル(Commando Hubert)と共に作戦を行うことも多いため、ニュース等では海軍コマンドと一括りにされることも多々あります。


●CPA 10
(Commando parachutiste de l'air n° 10):空軍第10落下傘コマンド



フランス空軍の特殊部隊です。
空軍の部隊では珍しく対テロ・人質救出作戦の他、フランス国民の避難輸送、戦地での捜索・救助作戦等にも従事します。
上記のどの部隊よりも、まだまだマイナーといえる存在です。





以上、GIGNの関連部隊と類似部隊でした。

「バイザー付きヘルメットで黒装備=SWATやGIGN」と思われがちですが、フランスでは色々な部隊が存在しております。
興味をお持ちになられた方には、是非とも新しい道を開拓して頂きたいと思います。
  

Posted by Lure at 14:57Comments(4)◆GIGN の関連部隊